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地上デジタルテレビジョン放送が始まるにあたって、その録画形態にはさまざまな問題がありました。
デジタルデータは短時間での大量複製が可能で、犯罪に利用されやすいからです。
その為、総務省は当初、コピーワンスという一次コピーのみ可能でダビングは不可という規制を各メーカーに通達しましたが、これにはメーカー、視聴者共に大憤慨で、あっという間に却下されました。
実際、録画に失敗する可能性もあるにもかかわらず、一回のみの録画というのはあまりに視聴者に厳しいものであって、当然の反応と言えます。
その結果、代替案として提出されたのが、ダビング10という規則です。
このダビング10とは、デジタルチューナー搭載のHDDレコーダーなどといったハードディスク搭載の録画機器を対象にしたルールで、その機器によって地上デジタルテレビジョン放送した後、DVDなどの媒体に対し、9回のコピー+1回のムーブが可能というルールです。
このムーブというのは、別のメディアにその内容を書き込んだ際に、元のメディアからデータが消去される作業のことを指します。
パソコン上の作業で言えば、コピーはそのままコピー、ムーブは切り取りの事を指します。
10回目のコピーは自動的にムーブとなり、元のメディアから消える仕組みになっています。
よって、10回目のコピーと同時に元データは消えてなくなります。
ですから、必然的に10回のコピーしか行えません。
これが、ダビング10という名前の由来ですね。
ダビング10は、受信機内臓HDDにのみ対応した、他のメディアへのコピーを9回、ムーブを1回まで許可しているルールです。
このコピー9+ムーブ1の根拠は、「情報通信審議会 情報通信政策部会・デジタル・コンテンツの流通の促進等に関する検討委員会」の説明を引用すると、「ポータブルデバイスの登場で、コンテンツにおける娯楽が多様化している為、携帯電話、各プレーヤーなどにおける扱いを考慮すると、一人あたり三つが適当。
そして、一世帯における視聴者の数は平均三名なので、3×3で九個が妥当」という事です。
つまり、HDDからDVD、ブルーレイディスクへのコピーだけではなく、ポータブルデバイスへのコピーを考慮した結果、この数字が一番落としどころとしてふさわしいという結論に至ったということですね。
この考えには、賛否両論あるかと思います。
ポータブルデバイスへのコピーを考慮して、何故「3」という数字が導き出されたのか、そして一世帯における視聴者の数は果たして本当に平均「3」なのか、疑問が残ります。
そもそもこの9+1という数字を19+1にした所で、マイナス要素は出てくるのでしょうか。
9+1ではよくて19+1では駄目な理由というのは、あまり思いつきません。
犯罪に利用するにしても、10と20にどれほどの違いがあるのかというと、おそらく変化はないでしょう。
ダビング10が中々決定しなかったのも、こういったあやふやな面が多すぎるからかと思います。
ダビング10という制度自体に疑問が持たれてしまっていたのです。